広告

ローソン銀行が10月にサービス開始。セブン銀行の高収益体質に追いつくことはできるのか?

今まではセブン銀行と比べて利益率の低さが際立っていた

 コンビニエンスストア大手のローソンは8月10日、子会社のローソン銀行が銀行業の営業免許を取得し、10月15日にサービスを開始する予定であることを発表しました。ローソンは2001年よりコンビニATM事業をスタートし、現在は全国に13,000台以上のATMを設置しています。

 今年6月にローソン銀行へ引き継がれるまでまでローソンのATMを管理していた子会社「ローソン・エイティエム・ネットワークス」は営業収益273億円に対して経常利益が53億円と19.5%の利益率にとどまり、コンビニATM最大手のセブン銀行(2018年3月期単体:経常収益1,166億円、経常利益422億円 経常利益率36.1%)に利益、利益率とも大きく差をあけられています。

 

*ローソンATM:ローソン・エイティエム・ネットワークスの2018年2月期決算公告、ローソン2018年2月期決算説明資料より
*セブン銀行:セブン銀行2018年3月期決算説明資料より

 

広告

銀行団の影響が強かったローソンATM

 ローソンATMの利益率が低かった理由の1つに銀行の影響力が大きかったことが挙げられます。ローソン・エイティエム・ネットワークスは当初、ローソンに加え提携金融機関の出資を受けてローソンATMの経営を行っていました。

 しかし、提携金融機関から出資を受ける資本政策は提携先が増えるにしたがってローソンの影響力が弱まるというデメリットがあり、2011年2月時点でローソンの出資比率が44%まで低下。親会社の三菱商事が保有していた株式を加えても銀行団の出資比率合計を下回る事態となりました。そこで、ローソンは2011年以降銀行から段階的にローソン・エイティエム・ネットワークスの株式を買い取り、2017年8月以降は95%の株式を保有することで銀行団の影響力を弱めようとしてきました。

 

 

 このように提携する銀行団に対する立場を強めようとしていたローソンにとって、銀行業への参入はローソンと提携銀行との立場を対等にできる絶好のチャンスです。というのも、ライバルのセブン銀行は金融機関などに対し個別にATM提携交渉を行っており、その結果ATM利用1件あたりの手数料が約130円と非常に高単価なビジネスモデルを実現できているのです。

 ローソン銀行はローソンが95%の株式を保有し銀行株主も三菱UFJ銀行の1行しか存在しないことから、ローソン銀行の開業によって提携金融機関に対する立場を強め、交渉力を強化することでATMの手数料単価を上げていく狙いがあるものと推測できます。

銀行の開業で得られる新たな収益源「海外送金」と「資金運用」

 セブン銀行の経常収益1166億円のうち、ATMの受け入れ手数料はおよそ9割を占める1,059億円。残り107億円のうちの多くがセブン銀行で預けられた預金を運用する資金運用収益、主に海外送金によって得られる為替手数料とその他の役務収益(送金手数料など)を占めます。これらの事業を行うためには銀行業の免許を取得する必要があるため、13,000台以上のATMネットワークの価値を最大化することを考えるとローソンの銀行業参入は必然だったと言えるでしょう。

 特に海外送金サービスは中国やフィリピンなどの外国人を中心にセブン銀行で年間100万件以上の利用実績があり、1件あたり数千円の単価を見込めることからローソン銀行もサービス開始の早い段階で参入することが見込まれます。

ローソン銀行はセブン銀行の高収益体質に追いつくことができるのか

 ローソンが銀行を設立することで得られるメリットは以下の2つに集約されます

  • 今までローソンに対し立場が強かった銀行との関係を対等にできる
  • 海外送金サービスや預かった預金の運用による収益多角化

 ローソンが銀行業参入によってセブン銀行並みの高収益体質を実現するためには、この2つのメリットをいかしきれるかがカギとなりそうです。