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ぐるなびと楽天が資本業務提携。予約サイトを囲い込むポイント経済圏の行方

食べログ、HOTPEPPERも…資本提携とポイント経済圏から見える消費プラットフォーム戦国時代

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ぐるなびが楽天と資本業務提携を発表。その内容は

 7月30日、ぐるなびが楽天との資本業務提携を発表し、その中で、ぐるなび独自の会員システムとポイントを楽天会員・楽天スーパーポイントへ統合を目指すことが発表されました。

 この発表により、今後事実上ぐるなびが楽天のポイント経済圏に入っていくことが確実視されています。ぐるなびが楽天のポイント経済圏に入ることによる双方のメリットはどこにあるのでしょうか。

グルメサイトの競争激化に押されて業績が頭打ちになっていたぐるなび

 開設から23年目に突入したぐるなびはインターネットグルメ情報サービス・グルメ予約システムの国内最古参企業として飲食店への確固たる営業基盤を構築し、2017年3月期には過去最高の売上高・営業利益を上げました。ぐるなびは販促ページや予約ページを開設する有料加盟店舗による「ストック型収入」を中心としたビジネスモデルによって売上を積み上げ、安定した経営を実現してきました。

 しかし、Rettyやヒトサラといった後発のグルメ口コミサイト、TORETAなどの飲食店予約システムを展開するベンチャー企業の新規参入などによって競争が激化し、さらに飲食店の人件費高騰による広告宣伝費を減らす動きがでてきたことなどを理由に、ストック型収入の肝である有料加盟店舗数が2四半期連続で減少しました。その結果、2018年3月期は減収減益となり、7月30日に発表された第1四半期決算も売上高82億900万円(前年同期比-6.6%)、営業利益5億9,800万円(同-57.3%)と苦戦が続いています。

 

図:ぐるなびの売上高と営業利益(2015年3月期~2018年3月期)

 

ポイント経済圏は「消費とデータのプラットフォーム」の主導権争い

 「ポイント経済圏」とは、大企業が複数の会社と連携して共通ポイントを発行し、消費者を囲い込む仕組みのことを言います。TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)やソフトバンクを中心としたTポイント、携帯電話のNTTドコモやリクルート・ローソンを中心としたPontaなどがポイント経済圏を構築しています。

 

図:主なポイント経済圏

 

 ポイントを貯められることがお店選びの基準になっている消費者も多いことから、導入店舗は他の大手サービスを利用しているユーザーを自社に囲い込むことができるメリットがあります。対する発行企業は自社サービスへの囲い込みに加え、利用者の購買ビッグデータを手にすることでマーケティングに活かすことができるメリットがあります。

 ポイント経済圏の競争は購買データを握るための競争であり、購買データによる分析を進めた先に消費者が集まる仕組みができる未来を見据えた消費の主導権争いでもあることから上記の会社以外にもLINEやKDDIなどポイント経済圏の拡大を図っている企業は多くあり、戦国時代の様相となっています。

食べログやYahooを取り込んだTポイント、リクルートと共同戦線を張るPonta

 Tポイントを運営するCCCは2012年にTポイントとYahooIDを統合し、Yahooトラベルなどの予約サイトでTポイントを貯めることができるようになったほか、2017年8月に食べログのネット予約とも連携しました。

 HOTPEPPER、HOTPEPPER BEAUTY、じゃらんなどを運営するリクルートは2015年にPontaを運営するロイヤリティマーケティングに出資しリクルートポイントをPontaに統合してローソンなどと共同戦線を構築しています。

 

表:予約サイトとポイント経済圏の提携動向

ポイントサービス予約サイトとの連携内容
Tポイント2017年8月 食べログネット予約と提携
Yahooトラベルなどでも利用可能
Ponta2015年11月 リクルートポイントをPontaと統合。
HOTPEPPER、じゃらんなどのポイントがPontaに
楽天スーパーポイントRakoo、楽天トラベル、楽天ビューティーなど自社サービスでポイントが貯まる
→ぐるなびが追加
dポイントdトラベルなど自社サービスの予約でポイントが貯まる
2018年6月 dグルメにネット予約機能を追加

 

 楽天は旅行分野の楽天トラベルなどでは強みがあるものの、グルメサービスのRakooの予約システムは他社のものと比較して簡易的なものでもあり、他の予約サービスを囲い込みたかったのではないかと推測できます。

予約サイトとポイント経済圏の連携は今後も広まるか

 今回のぐるなびと楽天の資本業務提携は自社の予約サービスに顧客を囲い込むことで有料会員を引き留めたいぐるなびと、ポイント経済圏を拡大し、グルメ予約領域を強化したい楽天の思惑が一致したものと考えられます。

 グルメ口コミサイトのRettyが5月にヤフーとの戦略提携を発表し、予約システムの開発を行うことが明らかになりました。対する食べログ運営のカカクコムは8月3日にKDDIとの資本業務提携を発表し、食べログが採用しているTポイントの今後の行方が注目されます。予約サイト、特に飲食、旅行、美容などの単価が高い領域はデータの価値も高いことから、ポイント経済圏が予約サイトを囲い込む流れは今後も続きそうです。